保有最適化

給湯管更新を選択した事例

2026年6月21日

COLUMN 実例 / 修繕・建物管理
給湯管更新 ・ 漏水対応 ・ 修繕計画

30戸中ほぼ全戸で漏水。
給湯管更新を選択した事例

直しても、別の部屋でまた漏れる。
部分補修の繰り返しから抜け出すために選んだ、根本解決の方法。

公開日:2026.06.17 カテゴリ:修繕・建物管理 読了:約6分 監修:株式会社ストプラ
PROPERTY — 物件概要

複数の部屋で給湯管の漏水が発生。直しても別の部屋で再発する状況が続いていました。原因は配管そのものの経年劣化。部分補修ではなく給湯管の更新を選び、漏水を根本から抑えました。

物件種別
一棟RCマンション
所在地
東京都
築年数
1996年築
戸数・構造
30戸・RC造

直しても、また漏れる。
そのとき疑うべきは、配管そのものの寿命です。

複数の部屋で給湯管からの漏水が発生。修理を行っても別の部屋で再発する状況が続いており、根本的な解決策を検討したいとのご相談でした。

当時の状況

本物件は1996年築のRCマンション。当時は給湯管に銅管が多く採用されていました。銅管は衛生面に優れる反面、経年劣化により小さな穴が発生しやすいという弱点があります。

用語:ピンホール

銅管の経年劣化で生じる、針の穴ほどの小さな穴のこと。給湯管は床下を通っているため、漏水してもすぐには発見できないのが厄介な点です。

本物件は床スラブの施工精度が高く、漏れた水が玄関横のPS(パイプスペース)へ流れる構造だったため、階下への漏水は少ない状況でした。その一方で、洗面室の床下がプールのようになっているケースも多く見られました。

考えられた3つの選択肢

漏水箇所ごとの部分補修

発生した箇所だけをその都度直す方法。手軽ですが、原因が配管全体の劣化だと再発が続きます。

床を解体して全面更新

確実ですが、大規模な床解体を伴い、費用・工期・入居者負担が大きくなります。

給湯管ルート変更による更新工事

既存配管を使わず新ルートを構築。床の大規模解体を避けつつ、配管そのものを更新します。→ 私たちが選んだ方法

ストプラの判断

漏水箇所の特定は非常に難しく、床下に溜まった水を抜く必要がある・水を抜いても漏水箇所が見つからない場合がある・点検口から見える範囲しか確認できない、といった問題がありました。つまり部分補修を繰り返す方法は、延命措置にしかならないと判断したのです。

漏水が発生 その箇所を補修 別の部屋で再発 ↺ 原因(配管の経年劣化)が残るため、繰り返す

そこで、給湯管そのものを更新する方針としました。

実施内容

既存配管は使用せず、床下からユニットバス上部を経由し、キッチンへ接続する新ルートを構築。これにより、大規模な床解体を行わずに給湯管更新を実施しました。

天井スラブ 床スラブ 床下 ユニットバス キッチン 旧:床下の銅管(ピンホール漏水) UB上部を経由 起点
新ルート(更新後) 旧ルート(床下の銅管)
床を大きく壊さずに給湯管を更新。さらに空室発生時には、給湯管更新と点検口の新設をセットで施工しました。

結果

漏水発生件数
大幅に減少
修繕費
抑制できた
復旧対応
約1日で可能

漏水発生件数は大幅に減少し、修繕費も抑制できるようになりました。現在では、漏水の発覚から復旧まで1日程度で対応できる体制を構築しています。

この案件のポイント

小さなトラブルに見えても、原因は建物の寿命かもしれません。

1990年代のRCマンションでは、銅管による漏水が多く見られます。漏水は発生箇所だけを見ると小さなトラブルに見えますが、根本原因が配管の経年劣化である場合、部分補修を繰り返しても解決しないことが多いのです。建物ごとの構造や施工方法を理解し、最適な更新方法を選択することが、管理会社の重要な役割となります。

この記事の要点

1990年代RCマンションで銅管が採用されている場合、漏水時は単なる部分補修ではなく配管更新の必要性を検討します。同一建物内で複数回漏水が起きているなら、個別修繕よりも更新工事の方が、長期的にはコストを抑えられる可能性が高いと言えます。

こんな方におすすめです

  • 同じ建物で漏水が繰り返し発生している
  • 1980〜90年代築のRCマンションを保有している
  • 部分補修の費用がかさんできた
  • 修繕計画の立て方に悩んでいる
  • 管理会社の対応方針に疑問がある
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その漏水、補修の前に原因の診断を。

建物の構造・配管の状態を踏まえ、部分補修か更新か、修繕計画の立て方まで一緒に整理します。繰り返す不具合ほど、早めの相談が結果的にコストを抑えます。

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※本記事は実例をもとに再構成したものであり、一部の情報を調整しています。配管更新や修繕の判断は、現地調査と専門家の診断のうえで行ってください。