事業再生

セールアンドリースバックを検討いただいた製造業の事例

2026年6月21日

COLUMN 実例 / 事業再生・資金繰り
法人不動産 ・ セールアンドリースバック

売却だけが正解ではない。
セールアンドリースバックを検討した製造業の事例

資金繰りの悪化。借入か、売却か。
その二択の間にある「第三の選択肢」を、どう比較検討したか。

公開日:2026.06.17 カテゴリ:事業再生・資金繰り 読了:約6分 監修:株式会社ストプラ
CLIENT — 顧客プロフィール

百貨店向け商品を製造するオーナー企業。受注減と借入負担で資金繰りが悪化するなか、売却か保有かの二択ではなく、セールアンドリースバック(売却して借りて使い続ける)という第三の選択肢を比較検討しました。

業種
製造業(百貨店向け)
保有形態
法人保有・オーナー企業
対象不動産
工場兼事務所
建物規模
4階建

資金繰りが厳しいとき、
選択肢は「借りる」か「売る」だけではありません。

かつては業績が好調だったものの、時代の変化とともに受注量が減少。借入金も多く、追加融資を受けることが難しい状況でした。キャッシュフローはマイナスが続き、資金繰りの改善が急務に。一方で自社の工場兼事務所は4階建でしたが、生産量の減少に伴い最上階フロアはほとんど使われていない状態でした。

当時の状況

  • 借入負担が大きい
  • 追加融資が困難
  • 工場移転も検討
  • 建物は特殊用途
  • 内部階段構造で一部賃貸が難しい
  • 遊休スペースあり

考えられた4つの選択肢

現状維持

資金繰りが悪化したまま運営を続ける。根本的な改善にはつながりません。

工場移転

ダウンサイジングによる負担軽減。ただし移転先の確保や解体費に課題がありました。

自社物件の売却

資金は確保できるものの、事業の拠点そのものを失うことになります。

セールアンドリースバック

売却して資金を確保しつつ、賃貸借契約に切り替えて同じ場所で事業を続ける。→ 私たちが提案した選択肢

ストプラの判断

工場移転によるダウンサイジングも検討しましたが、移転先が見つかる保証がない・解体費の負担が大きい・現況の売却価格が希望額に届きにくいという課題がありました。そこで提案したのがセールアンドリースバックです。投資家へ売却後、賃貸借契約に切り替えることで、次の3つを同時に実現できる可能性がありました。

BEFORE
自社で保有
借入が重く、遊休スペースを抱える
STEP 1
投資家へ売却
まとまった売却資金を確保
STEP 2
賃貸借で使い続ける
同じ場所で事業を継続
同時に実現
  • 借入返済の解消
  • 売却資金の確保
  • 事業の継続

さらに将来の業績回復を見据え、買戻し特約付きでの検討も行いました。

最終結果

結果としては、別の金融機関から追加融資を受けられる可能性が見つかったため、セールアンドリースバックは実施しませんでした。

現在振り返っても、セールアンドリースバックが最善だったのか、追加融資が最善だったのか、正解は分かりません。しかし当時は会社の存続を最優先に考え、複数の選択肢を比較検討できたこと自体に意味があったと考えています。

この案件のポイント

セールアンドリースバックは
資産を売却する手法ではなく、
「時間を買う手法」である。

本業改善の見込みがあり、一時的な資金繰り改善が必要な場合には有効な選択肢となります。一方で、賃料負担が継続するため、根本的な事業改善がなければ問題の先送りになる可能性もあります。

この記事の要点

資金繰りの悪化時は、売却か保有かの二択ではなく、セールアンドリースバックという第三の選択肢があります。ただし本業改善の見込みがない場合は延命策に留まる可能性があるため、事業性評価とセットで判断することが重要です。

こんな方におすすめです

  • 資金繰りの改善が急務になっている
  • 追加融資が受けにくく、借入を圧縮したい
  • 事業は続けたいが、自社不動産の活用に悩んでいる
  • 工場・特殊用途の建物を保有している
  • オフバランス化や事業承継を検討している
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※本記事は実例をもとに再構成したものであり、一部の情報を調整しています。セールアンドリースバックや融資の判断は、税務・財務の専門家の助言のもとで行ってください。