売却だけが正解ではない。
セールアンドリースバックを検討した製造業の事例
資金繰りの悪化。借入か、売却か。
その二択の間にある「第三の選択肢」を、どう比較検討したか。
百貨店向け商品を製造するオーナー企業。受注減と借入負担で資金繰りが悪化するなか、売却か保有かの二択ではなく、セールアンドリースバック(売却して借りて使い続ける)という第三の選択肢を比較検討しました。
資金繰りが厳しいとき、
選択肢は「借りる」か「売る」だけではありません。
かつては業績が好調だったものの、時代の変化とともに受注量が減少。借入金も多く、追加融資を受けることが難しい状況でした。キャッシュフローはマイナスが続き、資金繰りの改善が急務に。一方で自社の工場兼事務所は4階建でしたが、生産量の減少に伴い最上階フロアはほとんど使われていない状態でした。
当時の状況
- 借入負担が大きい
- 追加融資が困難
- 工場移転も検討
- 建物は特殊用途
- 内部階段構造で一部賃貸が難しい
- 遊休スペースあり
考えられた4つの選択肢
ストプラの判断
工場移転によるダウンサイジングも検討しましたが、移転先が見つかる保証がない・解体費の負担が大きい・現況の売却価格が希望額に届きにくいという課題がありました。そこで提案したのがセールアンドリースバックです。投資家へ売却後、賃貸借契約に切り替えることで、次の3つを同時に実現できる可能性がありました。
- 借入返済の解消
- 売却資金の確保
- 事業の継続
さらに将来の業績回復を見据え、買戻し特約付きでの検討も行いました。
最終結果
現在振り返っても、セールアンドリースバックが最善だったのか、追加融資が最善だったのか、正解は分かりません。しかし当時は会社の存続を最優先に考え、複数の選択肢を比較検討できたこと自体に意味があったと考えています。
この案件のポイント
セールアンドリースバックは
資産を売却する手法ではなく、
「時間を買う手法」である。
本業改善の見込みがあり、一時的な資金繰り改善が必要な場合には有効な選択肢となります。一方で、賃料負担が継続するため、根本的な事業改善がなければ問題の先送りになる可能性もあります。
資金繰りの悪化時は、売却か保有かの二択ではなく、セールアンドリースバックという第三の選択肢があります。ただし本業改善の見込みがない場合は延命策に留まる可能性があるため、事業性評価とセットで判断することが重要です。
こんな方におすすめです
- 資金繰りの改善が急務になっている
- 追加融資が受けにくく、借入を圧縮したい
- 事業は続けたいが、自社不動産の活用に悩んでいる
- 工場・特殊用途の建物を保有している
- オフバランス化や事業承継を検討している
二択で決める前に、選択肢を並べる。
資金繰り・借入・自社不動産の活用を整理し、御社にとって最善の打ち手を一緒に比較検討します。早めのご相談ほど、選べる手は多くなります。
無料で不動産・財務の相談をする※本記事は実例をもとに再構成したものであり、一部の情報を調整しています。セールアンドリースバックや融資の判断は、税務・財務の専門家の助言のもとで行ってください。