保有最適化

DCF法とは?「いくら儲かるか」ではなく、「その投資をする価値があるか」を考える

2026年7月6日

COLUMN 考察 / 投資判断・DCF
DCF法 ・ NPV ・ IRR

DCF法とは?
「いくら儲かるか」ではなく、
「その投資をする価値があるか」を考える

利回りは「今」を見る指標。
DCF法は、将来のキャッシュを「現在価値」で見る考え方です。

公開日:2026.06.17 カテゴリ:投資判断 読了:約7分 監修:株式会社ストプラ
SUMMARY

収益不動産を買うとき、多くの方が最初に見るのは利回りです。もちろん重要ですが、私は最終判断でDCF法(割引キャッシュフロー法)を重視します。将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り戻し、投資額と比べてNPV(正味現在価値)がプラスかで「買う価値があるか」を判断します。

不動産投資は「今の利回り」だけのゲームではありません。

収益不動産を購入する際、多くの方が最初に見るのは利回りです。表面利回り、実質利回り、NOI利回り。どれも重要な指標です。しかし私は、物件購入の最終判断ではDCF法を重視しています。不動産投資は「今の利回り」だけではなく、将来どれだけのキャッシュを生み出すかというゲームだからです。

DCF法とは何か

DCF法は、将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り戻し、その合計と投資額を比較する考え方です。購入価格・家賃収入・修繕費・管理費・空室率・借入金利・売却価格などを数年〜10年以上先までシミュレーションし、現在価値に換算します。

1年目2年目3年目 売却 将来のCF → 割引率で現在価値へ割り戻す 現在
将来の家賃・売却などのCFを現在価値に割り戻して合計し、投資額と比べる。

利回りだけでは見えないものがある

例えば表面利回り8%の物件。数字だけ見ると魅力的です。しかし、5年後に外壁工事が必要、給湯管更新も必要、家賃は毎年1%下がる、売却時に解体費がかかる——こうした将来のキャッシュフローまで考えると、実は投資価値が高くないこともあります。逆に、利回りは低くても賃料アップ余地・建替え余地・出口価格が期待できる物件は、DCF法では高い評価になることがあります。

利回り8%の物件
表面利回り 高い
  • 5年後に外壁工事
  • 給湯管更新が必要
  • 家賃が毎年1%下落
  • 売却時に解体費
DCFでは評価が低いことも
利回りは低めの物件
表面利回り 低い
  • 賃料アップ余地あり
  • 建替え余地あり
  • 出口価格が期待できる
  • 将来CFが伸びる
DCFでは高評価になることも

NPVがプラスかどうか

DCF法ではNPV(正味現在価値)という指標を使います。考え方は非常にシンプルです。

将来利益の
現在価値の合計
最初に
投資する金額
=

NPV
プラス → 投資価値がある マイナス → 他の投資が合理的

日本でも重要性が高まっている

日本は長年、超低金利が続き、借入金利が低かったため、多少収益性が低い物件でも成立することがありました。しかし金利環境は変化しつつあります。

超低金利 政策金利 1%(2026年7月時点)

金利が上昇すると、将来のキャッシュフローの価値は相対的に小さく評価されます。「将来いくら儲かるか」だけでなく「その利益を現在価値で見て本当に投資する価値があるか」が、今まで以上に重要になります。

DCF法は購入時だけではない

DCF法は、購入する時だけのものではありません。次のような判断にも活用できます。

今売るべきか
あと5年保有すべきか
リノベーションすべきか
建替えるべきか

リノベーションに3,000万円投資した結果、将来の家賃上昇や売却価格の上昇を含めてNPVがプラスになるなら投資する合理性があります。逆にリフォーム費用を回収できないなら、現状維持や売却という判断も選択肢になります。

AI不動産戦略会議でもDCF法を採用します

今回開発している「AI不動産戦略会議」でも、単純な査定価格だけでなく、DCF法をベースにした投資判断を取り入れる予定です。各戦略についてNPV・IRR・年間キャッシュフローを比較し、どの戦略が最も合理的かをシミュレーションできるサービスを目指しています。

戦略
NPV
IRR
年間CF
家賃改善
建替え
++
保有継続
±
売却
買い増し
※表示は考え方のイメージ。実際は物件の数値で算出します。

価格だけではなく、
将来のお金の流れまで見える化する

この記事の要点

利回りは「今」を、DCF法は「将来のキャッシュを現在価値で見た投資価値」を示します。判断の軸はNPVがプラスか。金利上昇局面では将来CFが小さく評価されるため、DCFの重要性が高まります。購入だけでなく、保有・リノベ・建替え・売却・買い増しの戦略比較(NPV・IRR・年間CF)にも使えます。

この事例が参考になる方

  • 収益不動産の購入を検討している方
  • 法人で不動産を保有している経営者
  • 買い増しか売却か迷っている方
  • DCF法・NPV・IRRを実務で活用したい方
  • 長期的な不動産投資戦略を考えたい方
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※本記事は一般的な考え方の解説であり、投資成果を保証するものではありません。金利等の数値は記載時点のもので変動します。DCF・NPV・IRRの前提条件により結果は大きく変わります。実際の投資判断は専門家にご相談ください。

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